おはなしあのね通信

平成22年度5月号

皆さん、こんにちは。暑くなったり、寒くなったり、体調はこわされていませんか?
まずは、前回の学習会の議事録です。

1.会長から

(1)第2土、第4土の「あのね」の実践について
第2土、第4土の「あのね」の読み聞かせの実践が「あのね」本来の目的である。
毎月第2水曜の会は実践のための勉強会である、という考えで統一する。
(2) 謝礼について
図書館に一任。
(3) 第5土曜日の『おとなのための おはなしあのね』について
勉強した成果を発表する。

2.質疑応答

・エプロンシアターなどの講習会を希望したい。
・「お話たまてばこ」は図書館がメインで、お手伝い(工作など)が5人くらい入る。
・第2土、第4土の「あのね」の読み聞かせの実践の記録用紙には、鉛筆書きでなく、ボールペン書きにする。
 また、第2土、第4土の「あのね」の読み聞かせの実践の時、来た子どもの年齢を出入り口で聞く。今後データを取って、絵本の目線をその年齢に合わせたい。また、昔話の正しいお話(もとのお話)を知らない若い親御さんもいるので、大人向けの本も用意すると良い。

3.研究発表

「さんびきのこぶた」
絵本や本によってのストーリー性の違いを取り上げて発表した。(資料参照)

・いろいろな「さんびきのこぶた」の本を紹介した。異色な点として、次の本も紹介した。

「三びきのこぶた」国際版少年少女世界童話全集8    小学館
  一匹目は、たけの家へ。(イタリア版たけ)
「さんびきのこぶた」せかいの名作ぶんこ6  イギリスの民話  金の星社
  しろ、くろ、ぶち、の3匹は、自分の意思で家を出る。
「三匹の子豚」アンドルー・ラング世界童話全集 みどりいろの童話集 東京創元社
  コゲチャ→泥の家  マシロ→キャベツの家  クログロ→れんがの家
  おおかみではなく、きつね

・アンドルー・ラング氏について、関心が高まり、「世界児童青少年文学情報大事典」によると、イギリス人(1844年〜1912年)で、ビクトリア王朝の黄金期に活躍した人。川端康成が数多く訳をしている。スティーブンソンの宝島に触発された人である。
・ジェイコブスの再話に忠実な「三びきのこぶた」も、7冊紹介した。
・ブルックの絵など、リアルな豚の絵なども読み比べて盛り上がった。

(まとめ)
・最後に「昔話は元の形からはなれれば、はなれるほど力強さを失ってしまう。その点でジェイコブスが絶えず子どもたちに語り、文字に写していったことは、彼の再話集が今も残っている秘密だと思います。(石井桃子)」の文を紹介した。
今回、確かなものを子どもたちに届ける責任を改めて感じた。
・「絵本には、いろいろな角度から書かれているものがある。(絵本学会資料)」絵本は本当に広い世界である。

4.講演会の発表
「子ども、絵本、大人」
講演者 青山学院女子短期大学、立教女子学院短期大学常勤講師
  中村征子氏  2010年3月28日大野図書館於
講演会でのお話を、分かりやすくまとめて発表した。(資料参照)

<本を選ぶこと>
* 2歳から3歳児・・・本好きになる時期、楽しいと思う体験が一番。最後まで読ませなきゃ、じっとさせなきゃはタブー。
「もけらもけら」・・・0歳児でもOK。ジャズ的でおもしろい
* 4歳児・・・科学絵本を取り入れる。「みんなおなじでもみんなちがう」がおすすめ。
○「スガンさんのヤギ」ドーテー作
自分用におすすめ。読み聞かせにはむかない
死を取り扱う本でも、子どもと大人に信頼関係ができていれば扱ってもいいし、大人の側に意図があっても良い。

<本に求めるもの>
子ども・・・本の中で遊びたい、等身大の自分になりたい。
○  自分が選んだ本について、客観的に「なぜそれが良いと思うのか」の理由がきちんと述べられることが重要。
○  その時に理解できなくても、疑問を持たせて、ずっと考えさせていくことが大切。ずっと後になってから分かることがいっぱいある。「これって何だろう。」というひっかかりを子どもの心に持たせ、子どもの心に種をまいていく。
○  「子どもたちが絵本の世界で遊べるような自由さがあり、子どもたちがいろんな入口、いろいろなやり方で絵本に参加し、作り変えたり膨らませたりする余白がある。こうした余白のある絵本は魅力的である。(中村氏の絵本より)」中村氏が、幼稚園で「エルマーのぼうけん」を読み聞かせした。子どもたちは風船でエルマーにお手紙を書き、中村氏らがエルマーになって、お返事を書いたというエピソードを紹介。
○ そのように、絵本でたっぷり遊ばせてから、子どもとやりとりすることが大切。
○ 紙芝居と、絵本の違いについて、紙芝居はあくまで芝居なので芝居でよいが、絵本は感情移入することなく、淡々とお話をよむことが大切 (中村氏の講演より)

5.実践報告

■4月10日(土)11:00〜11:20 子供9名/大人4名

  1. 手遊び「むすんでひらいて」
  2. 絵本「ぴょーん」
  3. 絵本「もけらもけら」
  4. 手遊び「ぐーちょきぱー」
  5. 絵本「ちいさなねこ」
  6. 絵本「三匹のやぎのがらがらどん」
  7. 絵本「ぞうくんのさんぽ」

■4月24日(土)11:00〜11:30 子供15名/大人9名

  1. 絵本「くっついた」
  2. 絵本「きつねとねずみ」
  3. 手遊び
  4. 絵本「ポットくんとミミズくん」
  5. 絵本「こもものおうち」
  6. 絵本「くつくつあるけ」

次回予告
日時:6月9日(水)10時から
内容「えほんのせかい・こどものせかい」の続き p163から
※大切なお知らせがありますので、会員のかたは図書館まで取りに来てください。